連載コラム 
        「水と健康」と「健康と水」(第3回)

「水と健康」と「健康と水」ではかなりニユアンスが異なるように感じる。前者は水の
汚染の進行が健康にどう影響するかということ、後者は人体で最も大きな割合を占める体
内の水をどうするかにより健康が大きく左右される可能性がある事を示唆している。幼児
で体重の80%、成人で体重の60%、したがつて平均で70%は水と言われている。し
かし、現在、医療においては勿論のこと、医学でも薬学でも生物学でさえも、人体で最も
大きな割合を占めている水を全くといつても良いくらい考慮しないで、水以外の30%で
議論している。この良い例が学生に人体は有機物か無機物かと質問すると大部分の学生が
有機物と答える。今日実際にこのような試験問題が出たらそう答えないと点数はもらえな
いと思う。ところで、有機物とは炭素を主体にした化合物である。人体に占める炭素の割
合はどのくらいかというと約10%である。この炭素に酸素や水素、窒素などが結合した
ものが有機物である。したがつて、人体の有機物の量はあっても20%くらいではないか。
それにもかかわらず人間は有機物であるというのは70%の水を無視しているからではな
いかと思う。本当に不思議なことだ。



● ウォーターデザイン研究会 理事長 理博 久保田 昌治



連載コラム 「水と健康」と「健康と水」(第1回)
「水と健康」と「健康と水」(第2回)